知識探偵クエビコ

人類史・古代史・神話の謎を探ったり、迷宮に迷い込んだり……

言語学

マレーシアで未知の言語発見

サプライズのあったニュースを。 次のニュースの面白いところは、あくまでも、発見されたのは「言語」であって、「民族」ではないこと。 既に知られた人々を調査してたら、実は知らない言語を話してたわけだ。 スウェーデン・ルンド大学(Lund University)…

『核DNA解析でたどる日本人の源流』斎藤成也

遅ればせながら。 出てることに気づいた瞬間に売り切れてた。つまり出版社の予想より売れたわけだ。 核DNA解析でたどる 日本人の源流 作者: 斎藤成也 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/10/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブ…

オーストロネシア――熱帯動植物文化の探求・イネ

そろそろオーストロネシアの話に戻ろうかなと。思い出しておくと、前はこの記事(オーストロネシアの人々――謎のヌサンタオ編)だ。 文化的な話を中心に、遺伝学など他の学問も絡めてやります。 以前のイネやもっと以前のカジノキの話の続きとその他聖樹だと…

オーストロネシアの人々――謎のヌサンタオ編

今回から、太平洋とインド洋を股に掛けるオーストロネシアの人々の特集だ。 記事は何回かに適当に切り分けたいところ。 予告したチャム族の話もある。でも、話をオーストロネシア人の関係する地域全体(周辺語族も含む)に拡げよう。読んだ論文自体がそうい…

カミの遺伝学的解析――聖樹布と禁忌の民

そろそろ南方の話をしたい。そしてその流れで、以前D1b関連で見せた(この記事と別の直リンク)ADMIXTUREの説明もしよう。 しかしその前に面白い論文を紹介したい。これも南方の話だ。 今回の論文は海外の研究者が書いた物であり、日本の古代の知識には期待…

東北アジアのトナカイの民(似た名前の民族)

東北アジアやシベリアの話をいくつか書いておく。ずっと前にしてた、似た名前を持った民族、特にトナカイに関係する民族の話だ。 名前が似ていても同じ集団だとは限らない、というやつ。トナカイの話もこの同じ記事の頃から何度もしていた。 トナカイ(カリ…

意外な出雲データと、文化の変移のお話

斎藤研究室の2016年の論文に、出雲のゲノムを解析したPCA(Principal Component Analysis.主成分分析)の画像があった。 Language diversity of the Japanese Archipelago and its relationship with human DNA diversity.(pdf) 意外にも、出雲の人々のほうが…

ユーラシア東部およびアメリカ先住民の移住シナリオ

忘れないうちに、この東アジアを舞台とした移住の題材を片付けないと。 この前の時は染色体全比較の地図(ADMIXTURE)出したけど、こんなサイトもある。 http://admixturemap.paintmychromosomes.com/ 元の論文は A genetic atlas of human admixture histor…