予告 モンゴロイド学説との直接対決
「モンゴロイド」及び北方ルートの根拠喪失と、予想以上に重要だった東南アジア
C2(旧C3)を片付ける前に、というより、Oなどもっとややこしい今後の問題を迎える前に、東南アジア(中国とインドの一部を含む)の最新の情報をしっかり調べておかなきゃならず、それでいろいろな論文を読んだわけです。(今までも無関係じゃなかったが、ほとんど定説であるため特別な対応は必要なかった)
そういえばイヌもそうじゃなかったかと思い出し、調べ、いろいろ議論となる要素もあったため、これは単独でちゃんとまとめてみました。*1
これに先立ち、実は、日本で人気の北方大陸移動ルート説の一大根拠が失われていた(同時にモンゴロイドという言葉も疑わしくなる)という状況もあった。
以前も書いた*2が、ずっと語られていたシベリアのマリタ遺跡(1928年発見)と日本人との関係が、2013年にDNA解析によって否定されていたのだ。
このニュース、出たときは日本人との関係が全くわからないタイトルだった。自分も気づかなかったわ、このタイトルじゃ……
この文章中に、「この骨から抽出されたDNAには、今日の西ユーラシア(中東およびヨーロッパ)に見られる遺伝子と、アメリカ先住民に特徴的な要素が見られたが、現代の東アジアの人々との関わりを示すものは含まれていなかった。 」という一節はちゃんとあった。
自説を否定する話をわざわざおおっぴらにする学者はそんなにいないが、実は記事にもなっていた。
つまりここで、ついに、いまだに日本で人気の北方大陸移動ルート説をちゃんと再検証し、同時に、海外の遺伝学者で主流となっている南方海岸移動ルート説を調べる必要も出てきてしまったわけだ。
やったことリスト
- ミトコンドリアによる女の移動の研究の再勉強と、いろいろデータ集め。やっぱり、女も踏まえなくちゃ。
- モンゴル帝国の影響調べ。いや、C2を語ると言うことは、どうしてもモンゴル帝国を避けて通れず、その影響を差し引かないと大昔のことは語れず、もともと必要だったんだけど。(アイヌに関係する歴史証言という、予想外の収穫もあった)
- 匈奴&フン族もだよ。これがC2だけじゃなく、日本では数が少なすぎていろいろ言えないNやQとも関係している。中国の歴史に登場する夷狄も関係してきたり、そう言えば西王母っていたよなとか、思い出すことも大量にある。
- 人類のアメリカ大陸への移動の歴史。これも書くことが必要なことはわかっていた。ベーリング海峡が繋がっていた時期と、北海道がユーラシア大陸に繋がっていた時期はほとんど同じ(少しだけベーリング海峡のほうが浅い)で、アメリカに移動する前のアメリカ先住民は、ちょうどその時期あたりでオホーツク海北方の近所にいたことになるわけだ。
このアメリカにいるのがY染色体ハプログループでQ・C2・R1bで、Y染色体ハプログループC2の存在だけはアイヌとも日本人とも共通していて、関係を問わなければならなくなる。そしてアメリカに渡った者と、日本にいる者たちの違いは? - しかもマリタ遺跡がアメリカ先住民と関係していたという事実も判明しているわけだ。
- もちろんアイヌの歴史も登場する。
- 学術的にも調査の遅れていた東南アジアは、やっぱりいろいろな事実を秘めていた。
というわけで、しばらく片付けるべき事を片付けます。