日本人祖先の航海再現 沖縄ルート検証へ
またニュース。
日本人祖先の航海再現 「沖縄ルート」検証へ国立科学博物館が計画
http://mainichi.jp/articles/20160922/ddm/016/040/002000c
また、やるってことです。
以前「失敗」したときは、どうなるんだと思ってるうちに書くタイミングを無くしてしまったから、そのとき考えたことを書こう。
まず、前回のチャレンジは、厳密には失敗じゃない。
ああいう実地実験というのは、失敗も望まれる結果の内だ。
どういう問題があるか、どういう条件だと上手くいって、どういう状況だと失敗するか、何が問題となるのかを突きとめることが目的なのだ。
で、黒潮の海流はやっぱり速かった。黒潮の問題を解決する方法が必要、とわかったわけだ。まあ、もとから黒潮の速さの問題は有名だったが。
で、さらに。
以前から思ってたことがある。
沖縄にたどり着くコースって、その台湾コースじゃないんじゃない?
なんだか、現在の海岸線に縛られすぎてると思うのだ。
だって、氷河期でしょ?
この前のニュースの論文画像を流用させていただく。
こんな感じの、対岸との周回コースじゃないでしょうか?
この周回コースには、あきらかな利点がある。
- 距離(片道分)が短い。
- 黒潮にある程度流されることを最初から計算の内にできる。
拡大して周囲の島と繋がった沖縄本島の長さが重要なポイント。
島側の出港地は、西端の久米島(当時はだいたい陸続き。上の図でも繋がってる)で、大陸から渡るときの目的地も久米島で、さしあたってはまっすぐ対岸の目的地を目指して良い。もちろん実際は黒潮で東北方向に流されてしまうが、たどり着く位置が少しぐらいずれても全く構わない。目的地からずれてもそれほど問題はないのだ。
ただしもちろん、ひどく流されると、太平洋まで流されてしまったり、ときには日本列島本島に流れ着いたりします。名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一つ。 - これは片道の移動ではない。行って帰ってこられる。
あなたが船乗りだったとして、一方通行の片道の旅を望みますか?
特に、黒潮に流されてしまうことは最初から計算に入れておくことが重要。(これは、どんなルートを考える場合でも大切なはず)
しかもこれなら、戻ってこられる。
季節によって移動して水産物を捕ったりできる。図にも"Seasonal Hunting"と書いてあったり。