ミトコンドリア編 とりあえずのまとめ
Y染色体の話に進みたいので、ミトコンドリアに一旦きりを付けておきます。
ただし個別の話題は継続します。
モンゴロイド問題をまとめるのも、アメリカ組と日本の関係を考える場合でも、ミトコンドリアもY染色体も一度に両方触れたほうがいいでしょう。
新しいニュースが出てくることもあるし、触れてない地域もあるわけで、今後もミトコンドリアは話題にします。
あ、目次も必要か。
そこで、とりあえずのミトコンドリアのまとめとして、英語版wikipedia(Human mitochondrial DNA haplogroup)などに出てる複数の移住ルート予測を見てみよう。
最初に自家製分岐図を載せておきます。
では、まず最初の一枚。
これは日本語版にも出てる予測。数字は年代で、1が1000年前にあたる。
これは明らかに北方ルートを肯定するものとなっている。(また、出アフリカ地点の違いもあり、Xも大西洋越えになってる)
ただ、ここまで確認してきたように、もはや北方ルートはデータ証拠から見てあやしいわけだ。
では残る二つ。
この二つは、少し違いはあるが、どちらも南方ルートの予測。
後の物は、MNRの大分岐がインド寄りで起こった(Rもインドから始まる)ことを主張している。
(アメリカ組のCの描き方に少し問題があるが、これは北上して西に拡がったのは氷河期の後という主張だろうか?)
実は最初の北方ルート地図には、mitomap.orgのWorld migrationに2012年の年号付きの元ネタ(http://mitomap.org/foswiki/pub/MITOMAP/MitomapFigures/WorldMigrations2012.pdf)がある。(元ネタでXは両論併記だった)
ただこのmitomapにも、より新しい2013年の予測地図が、リンクは見あたらないが存在する。(http://www.mitomap.org/pub/MITOMAP/MitomapFigures/WorldMigrations2013.pdf)
微妙な場所を線が通ってるが(作図上仕方ないのか?)、南方を東へ行くルートにはなってる。
次は篠田先生のhttps://jspsusa.org/FORUM2012/presentation/3-2_Shinoda.pdfにあった、以前も引用した論文のもの。2012年のhttp://jspsusa.org/wp/sijforum/2012-2/program/で発表した物のようだ。
篠田先生も南方ルート説ですね。
ミトコンドリアは、ほぼ南方ルート説で決まりでしょう。
N系統だけ、大きく北回りで日本に来た可能性を少し残してますが、これは「可能性が否定できない(確率は低い)」というレベルの物です。
すると問題は、Y染色体がどうなのか、だ。