世界最古の釣り針と、名前を覚えておくべき篠遠先生
沖縄サキタリ洞の話で、
こんな記事見かけたんですが。
そんなところツッコむんだ。でも釣り針にはこんなのもあるぞ。
File:MAP Expo Maori Hameçon 13012012 04.jpg
Hei matau - Wikipedia, the free encyclopedia (マオリの釣り針)
でも、それよりも……
釣り針の歴史を語るなら、重要な日本人の業績があるんだから触れてくれ、と思ったのだ。
ハワイ在住の人類学者篠遠喜彦。
篠遠喜彦 - Wikipedia (1924年生まれだけどご存命ですよ)
Yosihiko H. Sinoto - Wikipedia, the free encyclopedia (英語版にも登場)
ビショップ博物館の釣り針に関するページと、そこにある篠遠先生の論文二つ(pdf)。
Archaeology – Bishop Museum (釣り針fishhookの画像あり)
http://data.bishopmuseum.org/archaeology/docs/Emory_Sinoto_1969.pdf
http://data.bishopmuseum.org/archaeology/docs/Sinoto1991_Hawaiian_fishhooks.pdf
ポリネシアの人類史も、下地にこの人の研究がある。拡がりの図に注意。
https://en.wikipedia.org/wiki/Polynesia#History_of_the_Polynesian_people
こんな方です。
気軽に読めそうな本。
- 作者: 篠遠喜彦,荒俣宏
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1994/05
- メディア: 単行本
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- 作者: 篠遠喜彦,荒俣宏
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2003/03
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おまけ。
釣り糸の疑問があって、そういやどうだったかと思って検索して、一番上に出てきたところをリンクしておこう。
いろいろまとめて書いてあります。日本は大麻か。
釣り糸の歴史 - 昔の人は何を使って魚釣りしていたのか - 歴ログ -世界史専門ブログ-
ただし、出土物で「最古の~」は、いつでも常に「その時点で」が頭に付く物だと付け加えたい。「最古」は、実績アピールとか注意を引くため、言える状況があればこじつけてでも付くフレーズだし。
こういうものは、まずは単純に研究の先行する/研究に力を入れた地域から発見される(調査されなければ決して発見されないし、また、偶然発見されたときには重要さの意識がないと、注意が払われず分析されなかったり報告されず見過ごされたり、時には失われることすらある)んで、もっと世界中で調べられたり研究が進んで全体の見通しが立ってからじゃないと、正しい状況が見えてこないんです。(このとき、遺物の失われやすさも計算に入れる必要があります。時とともに失われていく物だから、単純に遺物が残りやすい特殊な条件もある)
みなさんも、前世紀の書物に書いてあるような古い情報は、新しい発見があって変わってるものだと思ってください。その後の変更がないか、チェックが必要なんです。(これは自分も気をつけなければ)
エラい有名な学者が書いてるからという理由で真実になるわけじゃないし、真実を言い当ててるとは限らないんです。新発見や新技術とかの影響もあって、どんな学問も進歩するんですよ。(自分も、古い本は情報が古すぎてお勧めできないことがよくある。本などの情報はまず書かれた年代を見て、その時代性を意識しましょう)