マレーシアで未知の言語発見
サプライズのあったニュースを。
次のニュースの面白いところは、あくまでも、発見されたのは「言語」であって、「民族」ではないこと。
既に知られた人々を調査してたら、実は知らない言語を話してたわけだ。
スウェーデン・ルンド大学(Lund University)の言語学者チームは、既知の言語であるジャハイ(Jahai)語の調査のためにマレーシア東部クランタン(Kelantan)州遠隔地の森林地帯にある村々を訪れ、さまざまな集団のデータを収集していた際、多くの人々が違う言葉を話していることに気づいた。
この地域では人々が杭上に建てられた木製家屋に住み、狩猟採集生活を営んでいる。研究チームのニクラス・ブレンフルト(Niclas Burenhult)氏によると、過去に人類学者が同地域の調査を行っていたものの、今回の調査では異なる質問を住民にしたため、ジェデク語を発見できたという。
ジェデク語の話者はわずか280人。ルンド大学によると、西洋社会よりも男女間が平等で暴力がほとんどなく、子どもらは競争しないことを良しとされる生活様式を反映した言語になっている。
同大の声明によるとジェデク語には「職業」や「裁判所」に当たる言葉がなく、「借りる」「盗む」「買う」「売る」などの所有を表す動詞もない一方で、「交換」や「共有」を表す語彙は豊富だという。(c)AFP
「今回の調査では異なる質問を住民にした」から言語を発見できた、というのが面白い。
また、売買を意味する言葉が無く、交換を意味する言葉はある、というところが、この新発見の言語の古い時代性を感じさせる。
英文だが、もう少し事情のわかるスミソニアンの記事と、元のリリース(その言葉が聞けるyoutubeリンク付き)と論文のリンクも貼ろう。
論文
Jedek: A newly discovered Aslian variety of Malaysia : Linguistic Typology
ジェデク語はオーストロアジア語族のアスリ語の変形、だそうだ。また、「すべての人は狩猟採集民のスキルが期待される」ともある。
また、スミソニアンにはここ最近の新言語の発見についても書かれてる。
言語は、隠れてたりもするわけだ