アメリカ大陸移住海岸ルート説
気になるニュースがあった。
これは、今してる話と無関係でもない。
元の論文。本体は有料だが画像は普通に見ることができる。
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature19085.html
これは、証拠として、過去の植生を調べたところが重要。
気づいた人もいると思うが、海岸ルート説自体は昔からあって新説じゃない。
しかしこれで証拠が伴って、しかも最初のアメリカ移住者が海岸ルートである可能性が高まったことになる。
ということは、最初のアメリカ本体への移住者は、海岸ルートをたどるような、海の暮らしに慣れた民だろう、と言うことにもなる。*1
で、この海岸ルート説に必要な海の民が、日本の縄文人との文化的な結びつきがあるのではないか、とされるわけだ。
女のミトコンドリアで言えば、日本にいるがシベリアでほぼ見ないハプログループBは有力候補。女の場合ACDも東アジアルートと考えられ、他にも海岸ルートで移住した者がいるかも知れない。
男のY染色体だと、可能性があるのはC2ということになる。アメリカ先住民の多数派はQで、Rもいるが、少なくとも彼らは西回りの北方ルートであり、東アジアのしかも海岸ルートであり得るのはC2だけなのだ。
ちなみにこのC2(旧C3)の移住コースは、個人的な説じゃなく、昔からwikipediaのこの図に書かれてたことだ。
https://en.wikipedia.org/wiki/Recent_African_origin_of_modern_humans#/media/File:World_Map_of_Y-DNA_Haplogroups.png
ただしここで、アメリカ先住民は、女が東方系統で、男が西方系統メインで、文化的事情の異なるその両者が結びついた、と言うことになるため、結婚による文化の結びつきを考える必要も出てくるのではある。
海の民である母親とその集団に育てられれば、父親が誰でも、子供は海の民になる可能性が高いのだ。
*1:アラスカへの到達がいつ誰か、は別の問題。本当はこっちが最初のアメリカ大陸到達だが、まあやっぱり、そこから南への本格的なアメリカ移住のほうが注目され、それがアメリカ大陸到達と書かれてしまった。