知識探偵クエビコ

人類史・古代史・神話の謎を探ったり、迷宮に迷い込んだり……

人類

武器による傷のある遺跡人骨のお話

もう一つ気になったニュース。 西欧人が殺したのかと思ったら、アボリジニ同士の争いではないかというお話。 これ読んで、思い出した日本の論文がある。 受傷人骨からみた縄文の争い http://r-cube.ritsumei.ac.jp/handle/10367/5261 まるで科捜研のようで面…

沖縄ルート続き

昨日の記事の後で気がついたことがあるんで続き。 沖縄の遺跡は、その年代に断絶があることを思い出したのよ。 沖縄県の歴史#先史時代 - Wikipedia 港川人の年代から、続く貝塚時代までの約1万2000年間の遺跡はほとんど発見されておらず、長らく空白期とされ…

日本人祖先の航海再現 沖縄ルート検証へ

またニュース。 日本人祖先の航海再現 「沖縄ルート」検証へ国立科学博物館が計画 http://mainichi.jp/articles/20160922/ddm/016/040/002000c また、やるってことです。 以前「失敗」したときは、どうなるんだと思ってるうちに書くタイミングを無くしてしま…

ニュース2:世界最古の釣り針、沖縄の洞窟で発見

今度は沖縄のサキタリ洞窟から出た世界最古の釣り針。 英語のタイトルは、World's oldest fish hooks found in Japanese island cave. 論文、探してますぜ。 タイトルにされてるのは、この遺跡がより古くまで(35000年から30000年前)遡って、航海技術の証拠…

ニュース1:8300年前の埋葬人骨を発掘 縄文人の生活実態解明へ

今「Y染色体中国出したし他も出さなきゃ」と思って準備しつつ、同時にいくつかの記事を書いてる。 そこに、またも無関係でない二つのニュースがありました。 まず最初。 こないだ記事にしたニュースと違って、今度は山の縄文人(縄文早期)で、DNA分析する…

モンゴロイド学説は公式に否定されなければならない

Y染色体ハプログループにおいて、日本とモンゴルなど(アルタイやバイカル湖周辺なども含む)の間で共通性を持っていて、モンゴロイドと関係すると考えられるのが、C2系統だった。 Dも可能性はあったが、結局モンゴルから中央アジアの領域には、日本のD1b…

「日本人のDNA、縄文人から12%受け継ぐ」というニュースについて

これ、思いっきり今書いてる内容と関係するところがある。 論文もサプルメントもちゃんと読んで、しかもいくつか調べなきゃならないこともあった。 まあ、よくあることだが、ニュースは、書いた記者の主観が入ってて、元と違ってる。 プレスリリースも論文も…

分岐年代でわかるY染色体ハプログループC

Y染色体ハプログループCの、分岐図と、年代と、それぞれのいる場所 ここで参考にしたのは……(2016/8/5付け、ということにしておく。書いてるうちに更新されて困ったわ) ISOGGの表、およびこの真ん中あたりにある地理分布(Geographical distribution)と、少…

アメリカ大陸移住海岸ルート説

気になるニュースがあった。 これは、今してる話と無関係でもない。 元の論文。本体は有料だが画像は普通に見ることができる。 http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature19085.html これは、証拠として、過去の植生を調べたところが…

今後の予定の変更

話を進める順番を、予定と変えることにした。 もちろん、モンゴロイド仮説の検証をするという主題は変わらない。 ヨーロッパで、シベリア経由でアメリカ組に繋がる話をたくさんしたんだから、このままシベリア方面に進んでいこう。 これは、形の上では、モン…

西方遺跡データのY染色体ハプログループ3

いつのまにか世界全体の人類史の謎の話に拡がってしまう。 西方遺跡データはこれで最後。今回はヨーロッパの話ばかりやります。

西方遺跡データのY染色体ハプログループ2

今回も西方の遺跡データ。 再び主な目的を確認する。 もともとの目的はモンゴロイド仮説の検証だ。 昔の時点で西にモンゴルのC2(旧C3)系統(もしくはその先祖の段階)がいないとわかれば、彼らは西回りの北方ルートでモンゴルに到達したわけではないことが…

西方遺跡データのY染色体ハプログループ1

ここから順番に片付けていこう。(だいたいミトコンドリアの逆の順番がよさそうだ) 過去のある時点での状況がわかれば、現在の状況は、より後の時代に変化したものだ、とわかる。 まず、目的を確認しておこう。 昔の時点で、西に、モンゴルのC2(旧C3)系統…

ミトコンドリアで探る人類史 目次

こんな順序です。 もうデータ引用も書けたはず。 ここで日本のオマケ 最後に こんな感じ。 今後も何か書いたら付け足します。

ミトコンドリア編 とりあえずのまとめ

Y染色体の話に進みたいので、ミトコンドリアに一旦きりを付けておきます。 ただし個別の話題は継続します。モンゴロイド問題をまとめるのも、アメリカ組と日本の関係を考える場合でも、ミトコンドリアもY染色体も一度に両方触れたほうがいいでしょう。新しい…

ミトコンドリア 西方遺跡データ

古い時代のヨーロッパからシベリアのデータを固め打ちで。 以前、モンゴルにもオマケがあると言ってたものの一つでもある。 おおまかに地域別(中欧・南欧・東欧からシベリア・最後は紀元前2000年のシルクロード)になっていて、どこも狩猟採集時代(新石器…

ミトコンドリアで探る人類史 インドとアラビア半島

これもデータは準備してたけどグラフ作ってなかった。 でも一緒に見たいよね? と思って、他の記事の書き足しやるとやっぱり時間がかかるので、その前に。 インドとタイと中国。 「族」は部族集団を調べたデータを意味する。ただしそれ以外も限定されないだ…

ミトコンドリアで探る人類史 アメリカ縦断編

同じテーマのグラフはもう用意してるんだから、先に全部出しておこうと思った。 並べて楽しむこともできるし。(自分も追い込める) グラフの北米南米は地理上の区分じゃなくて場所説明地図のため。縦に長いし、地図作るのめんどくさいから、元のある場合は…

ミトコンドリアで探る人類史 東南アジア編

ついに東南アジアだ。覚悟はいいか? いちいち説明する気が起きないほど大量のデータ。 でもグラフにしてみたら迫力があって面白かったから、でかいまま載せる。 (右にあるのは語族名の略称とサンプル数) インドを中心とした大量の基本系統M。 Rも豊富で…

フローレス原人ふたたび

フローレス原人の新たな化石 Nature ハイライト:フローレス原人の第2の遺跡 | Nature | Nature Research フローレス原人の新しい化石が出て、論文が出てニュースになった。 海部さんだ。 右はkindle版 これで、小さなフローレス原人の祖先が、東南アジア由…